温めるべきは「背骨」と「仙骨」~温活は体も心も温める~

温めるべきは「背骨」と「仙骨」~温活は体も心も温める~

私たちの体温と体の状態

人間の理想体温は36.5~37.1℃が理想といわれていますが、現在ではさまざまな理由が原因で「低体温症」の人が増えています。

それは大人だけに留まらず、子供の平均体温も、この50年間で1℃も下がっているといわれています。

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  • 集中力の低下
  • 肩コリ
  • 生理不順
  • 風邪を引きやすい

など、一見「冷え」とは関係なさそうな症状も、体の奥では冷えと関係していることがあります。

体温の低下が生じると体の細胞の働きが悪くなるため、全臓器の代謝が悪くなり、心臓や血管系の働きが低下し、血液の流れが悪くなります。

そのため、「冷え」を放っておくと心筋梗塞、脳梗塞、腫瘍などの病気に進行してしまう可能性があります。

体を温めるとリラックス効果、消化・吸収もスムーズに

日常生活で体を温め、平均体温を上げることで、血液循環が良くなり、血管が拡張され、自律神経が整っていきます。

さらに、体を温めると副交感神経が優位になるため、全身がリラックスします。

また、体温が上がることで、消化器官や腸内環境を整えるための酵素が働きやすくなり、消化吸収がスムーズに行われ、細胞の活性化にもつながります。

体を温めると「心」も温まる

寒い季節に温かい飲み物を飲むと“ホッ”とするように、私たちの思考や行動は知らずしらずのうちに、身体感覚の影響を受けます。

つまり、「温活」で体の芯を温めるということは、体だけでなく心を温めることにもつながるのです。

 

心が温まると「希望」「勇気」「愛情」「落ち着き」「心地よさ」など、人が生きていくために欠かせないような、プラスな感情を生み出してくれます。

自律神経とは

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体には、血液循環や消化などのさまざまな生命維持機能がありますが、これらをすべて維持し、適切にまとめていく神経が「自律神経」です。

 

さらに自立神経は「交感神経」と「副交感神経」に分けることができます。

 

・交感神経:昼の神経と呼ばれ、心身を活動的にして動かす

・副交感神経:夜の神経と呼ばれ、活動した体を休ませるという働きがある

 

私たちの体は、この2つの働きのバランスを保って、臓器の働きを調節しています。

自立神経は血液循環と密接に関わっており、交感神経・副交換神経どちらかにバランスが偏ると体調が崩れてしまいます。

温めるポイント ①背骨を温める

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背骨は生きるために大切な役割を、驚くほど担っています。

背骨の中心には脊髄が通っていて、そこから全身に伸びています。寒いときに、肩に力が入ったり、猫背になったりしませんか?

冷えを感じると人の体は自然と収縮し、それが続くと背骨が徐々に歪んでしまいます。そして、背骨が歪むと脊髄が歪み、情報伝達がうまくいかなくなります。

当然のように、脊髄の中にある自律神経にも影響がでてきます。自律神経のバランスの崩れは、不眠や震え、頻尿を引き起こします。また、一見関係がなさそうなドライアイや疲れ目も、自律神経の乱れで目の調整機能が弱って起こっていることも多いのです。

背骨が冷えると、影響が出るのは体だけではありません。背中がゾクゾク冷えていると、背中が丸まり、肺や心臓が圧迫されて呼吸が浅くなるため、酸素が脳に十分に運び込まれなくなり、結果、脳の活動量が落ち、気分の落ち込みにもつながっていきます。

 

背骨を中心に、こわばった背中の筋肉をほぐすように温めることで、背筋がまっすぐ伸び、腹部も緩み、呼吸が深くなり、胸部を開くことができるようになります。

呼吸が深くなることで自立神経のバランスが整ってきます。

背骨を温めて集中力・記憶力アップ

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背骨を中心に体の深部を温めることで、左前頭前野に有意に働きかけることが判明しています。

前頭前野というのは、学習力・集中力・記憶力に関わっている部分なので、学習意欲を高めたり、記憶力を高めたりするためにも「温活」がとても役立つことがわかりました。

 

裏を返せば「冷え」は学習に大敵なのです。体が冷えている状況では集中力が欠け、学習意欲もそがれてしまいます。

とはいえ、暖房では表面的に温かくなるか、上半身ばかりが温かくなってしまい、頭がボーっとしてしまいます。

せっかく勉強しようと机に向かっていても、これではもったいない話です。

背骨を温めると「前頭前野」が活性化し、脳力アップ

前頭前夜の働きは他にも

  • 考える
  • アイディアを生み出す
  • 記憶する
  • 判断する
  • 学んだ技術や知識を統合する
  • 感情をコントロールする

 

など、さまざまな働きをおこなっています。加えて、前頭前野は脳の活動性の調節に重要な役割を果たしており、前頭前野が疲れてくると、周囲に対して無関心になったり、抽象的な思考ができなくなり、記憶障害や知的障害、認知症などが起こったりします。また、この部分の血流が低下すると、うつや無気力な状態に陥りやすくなります。

温めるポイント ②仙骨を温める

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臀部の「冷え」は腰痛や神経痛、下半身の血行不良・脚の疲れなどの原因になります。

そのため、大事なのは背骨と仙骨を同時に温めることです。仙骨とは背骨の最下位部の直下、臀部のでっぱりのすぐ上にある手のひら大の骨です。

 

ここは骨盤の中央にあって、腹大動脈から枝分かれした多数の血管がそばを通り、最も長く太い神経である坐骨神経が通っています。仙骨は骨格、血流、ツボの3点において重要な箇所であり、仙骨が冷えると、ここにトラブルが生じます。

 

そのため、仙骨を温めると、血流・ホルモンなどの流れが良くなり、神経の働きが整えられ、体の調子が良くなっていきます。

女性特有の不快な症状にも効果的

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仙骨は体の中でも最も効果的に副交感神経を刺激できる場所です。仙骨周辺は筋肉や脂肪がつきにくく、骨に熱が伝わりやすいので、仙骨を温めると効果的に坐骨神経から副交感神経を刺激しリラックスすることができます。

また、腹大動脈や周りの血管が温められることで血流も促進し、冷えの解消はもとより、栄養や酸素も全身にいきわたりやすくなり、細胞の活性化も促せます。

 

さらに、仙骨を中心とする骨盤は膀胱や子宮・卵巣などの臓器があり、仙骨を温めることは尿漏れや頻尿、生理痛や更年期障害などのトラブルの緩和につながっていきます。

まとめ

「温活」で体を温めることは私たちの体に良いことばかり!

反対に、「冷え」を放っておくと体に負担をかけるばかりか、心や脳にまで悪影響を及ぼします。効果的、かつ、効率よく「温活」を始めるためには「背面を温めること」「仙骨を温めること」が大切です。

 

暑い夏場だとなかなか「温活」を始めるのにおっくうさを感じてしまいますが、寒くなってきた今の時季だと、体を温めることに対し抵抗感も少なく開始できます。

 

自分の体のメンテナンスのためにも早速「温活」を始めてみましょう。