【初心者~上級者】初めてでも失敗しない、手作り無添加味噌の作り方。カビを生えにくくする方法とは?

【初心者~上級者】初めてでも失敗しない、手作り無添加味噌の作り方。カビを生えにくくする方法とは?

私たち日本人にとって、味噌汁はとてもなじみ深いもの。
“おいしいから毎日飲んでいる”“健康に良いから飲んでいる”という方も多いのではないでしょうか。

大豆を発酵させて作られている味噌は、酵母や乳酸菌がたっぷり!

日本人の腸にも合っているので、腸内環境を整え、働きを活発にします。
腸内環境が整うと、肌トラブルも改善され、脳の働きも良くなります。
市販では、白味噌、赤味噌、合わせ味噌など豊富な種類の味噌が売られていますが、本来、味噌は家庭で作られてきました。出来合いの食材や外食が食事の主流になりつつある現在、長く受け継がれてきた家庭の知恵を失うのはもったいない話です。

 

味噌作りは、家庭の味の復権だけでなく、ものづくりの楽しさにも溢れています。そして、私たちの味覚を鍛え、健康な食生活の大切さを気づかせてくれます。

市場の味噌の実態

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健康・美容効果が注目されている味噌ですが、その効果を得るためには、本物の味噌を見極めることが大切です。

本物の味噌とは、酵母や麹菌が生きているもの。

 

しかし、残念ながら現在市場に出回る味噌は、酵母の過発酵によるパッケージの膨張や破裂を防ぐため、出荷前に加熱処理やアルコール殺菌によって、酵母菌が殺菌されてしまう味噌が多いようです。

いつも手にしている味噌は、実は本来のちからも旨みも失われた本物の味噌ではないということも考えられるので注意しましょう。

知っているようで実は知らない味噌の秘密

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だし入り味噌の秘密
昨今よく目にするだし入り味噌は、一見、だしが加わりより美味しい味噌のようにも思えますが、実は、味噌の酵素が活きていると加えた調味料(アミノ酸等)の旨みを分解してしまうため、“だしを入れるために”酵母や酵素の働きを失くした、いわば「死んだ味噌」です。

 

白味噌の秘密
白味噌がなぜ白いのかご存じですか?
通常の味噌は大豆を煮るのは1回ですが、白味噌は、大豆の色素が抜けるまで何回も煮るので、出来上がりの味噌が白くなります。しかし、色素と共に大豆のうまみもなくなってしまいます。また、白味噌には酵母はわずかしか含まれておらず、ほとんどが乳酸菌でできています。白味噌の甘味は、大豆ではなく麹の甘さなのです。

 

減塩味噌の秘密
カビなどの繁殖を防ぐ効果がある塩を減らしているので、長期間熟成すると酸敗してしまいます。よって、他の味噌と比べて熟成期間が短くなっています。
塩分の摂取は抑えられますが、味噌そのものの効果は得られにくいので、減塩したい場合は減塩味噌を使うのではなく、だしをしっかりとって、味噌の量を少なくするのがおすすめです。

味噌に欠かせない発酵

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そう遠くない昔、味噌や醤油や漬物がどこの家でも手作りされていました。

 

味噌や醤油は発酵することにより独自の旨みが出ます。発酵には、酵母や乳酸菌などの微生物の働きが欠かせません。微生物には多くの種類があり、各家々には、固有の酵母や乳酸菌が住んでいて、家ごとの独自の味を醸し出していました。

 

菌たちは、発酵という働きをおこないつつ、一方では味噌や醤油や漬物を食料にしています。食料が減ると、菌たちも弱って数が減少してしまいます。発酵食品を作り続けることが、元気な菌を増やすことになり、ひいてはおいしい我が家の味を作ることになるのです。

 

同じ作り方をしても家ごとで味が変わるのは、作った人や家が持っている菌が違うからなのですね。

味噌の成分と効用

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●タンパク質(ペプチド、アミノ酸)
コレステロールの低下、血管の弾力性保持、脳卒中防止、高血圧の防止

●イソフラボン
酸化防止、肩こりの解消、高変異原性、乳ガンの防止

●サポニン
過酸化脂質の生成防止、血中コレステロール等の低下、動脈硬化の防止、肝障害の防止

●ビタミンE
過酸化脂質の生成防止、老化防止

●食物繊維
コレステロールの低下、大腸ガンの予防

●コリン
脂肪肝の防止、老化防止

●レシチン
コレステロールの低下、動脈硬化の予防、認知症予防

●遊離リノール酸
シミ・そばかすの予防

●メラノイジン
過酸化脂質の生成防止、老化防止

●トリプシンインヒビター
抗ガン作用、糖尿病の防止

手作り味噌キットを使用した手作り味噌の作り方

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□道具
・混ぜる容器(大きくて深いものが混ぜやすい。大きいものが用意できない場合は、小分けにして混ぜてください。)
・タルつぼ
・鍋
・無添加のラップやクッキングシート、ガーゼなど
・重石
・押し蓋(お皿でもOK)

 

材料
・有機煮大豆・・・1kg
・有機米麹・・・800g
・天然塩・・・200g

 

□作り方
①タルや重石など、使用する道具を熱湯消毒し、乾燥させる。
②煮大豆は袋ごと、沸騰したお湯で5分間温める。
③分量内の塩をひとにぎり分取り分けておく。
(カビ防止に、容器に詰めた後表面に振り掛けるため)
④麹をよくほぐし、残った塩と混ぜ合わせる。
※麹をフードプロセッサーで潰すとベターです
⑤温まった煮大豆を取り出し、袋の封を開けずに潰す。
※手で潰しにくい場合は瓶などを使用してください。
※冷たくなると潰しにくくなるので、大豆が暖かいうちに潰してください。
⑥粒がなくなり、なめらかな感じになった⑤を④に入れて、耳たぶ程度のやわらかさでしっとりするまでよく混ぜる。
※ポロポロと乾燥しているようであれば、お湯を加えて混ぜてください。
⑦野球ボール大に味噌を丸め、空気が入らないように、タルの底に打ち付けるように味噌をつめてく。
※味噌玉の間に空気が残るとカビの原因になります。
⑧味噌玉を入れ終わったら表面をギュッギュと押さえながら平らにして、残しておいた塩を表面にまぶし、空気が入らないようにラップをかぶせる。
⑨押し蓋、重石、ラップ、蓋の順番で蓋をする。
⑩はみでたラップの部分をひもで縛り、8~10か月寝かす

 

□保存方法
保存は風通しが良く、直射日光が当たらない、湿度変化の少ない所で行ってください。外気の抜ける床下、北側のベランダなどが適しています。
味噌は夏場の気温28℃~32℃くらいが一番熟成が進みます。25℃以下では熟成がうまく進まず、逆に35℃位まで上がると酸敗する可能性が出てきます。熟成に調度良い場所をお探しください。

 

 

ONE POINT

□天地返しについて
天地返しは、梅雨の時季に、上下部分の熟成具合や水分を均一にさせるために行います。
家庭用の数㎏程度の味噌の量であれば特にする必要はありませんが、気になるようであれば空気にふれさせるようにかき混ぜる程度で大丈夫です。

 

□カビについて
味噌の表面やタルの内側にカビが発生することがあります。その場合はカビの部分だけをキレイに取り除き、35度以上のアルコールを含ませたガーゼで、タルの内側を消毒します。
淵にできる白いカビのようなもの(産膜酵母菌)はそのままにしておくと味噌の旨みが損なわれるので要注意!ひと手間かけて丁寧に取り除くことで味噌の旨みがでます。