1. 幼少期の食習慣が影響を与える影響

幼少期の食習慣が将来に与える影響 七田式食学とは

「天才を育てる」「頭の賢い子供に育てたい」と考えたとき、まず何をしますか?
幼児期から働きかけ、能力を開花させることはもちろん大切です。しかし、それと同時に大切になるのが「食」だということを、忘れてはいけません。私たちは、体も脳も心も、すべて食べたものから作られています。何を食べるかで、健康、頭の善し悪しが大きく左右されるのです。

脳は、約8割が6歳までに完成します。妊娠中や授乳中にお母さんが食べたものは、授乳を通して子供に与えられるため、ファストフードや有害物質の多い食事をお母さんがとるということは、子供も同じものを食べているのと同じことです。

子供は自分の意志で食べる物を選べない

子供にとって、大人から与えられる食べ物が全てです。大人から与えられたものしか食べることができず、自分で食べたいものを選べません。それが、体に良いものであろうとなかろうと、子供は判断できないのです。だからこそ、大人が子供に何を与えるかが、とても重要です。食の選択権を握っている私たちが、正しい情報を知り、正しい食を子供に与えてあげることが大切です。

幼少期の食事が生涯の食性となる

「子供の味覚は十まで」といわれるように、10歳頃までには味覚がある程度決まるといわれています。
とくに、幼少期は味覚を養うために大切な時期であり、同時に安全確認を自分の舌で行い、食べて良いものと悪いものの判断をするのです。

幼少期にジャンクフードや添加物の入った食べ物、ジュースやお菓子などの甘いものを与えると、その味を覚え、安全であると認識し、生涯好んで食べ続けることになります。

子供の味覚は大人の2倍ともいわれており、私たち大人が感じる以上に、敏感に感じ取っています。
味の濃い物、食品添加物まみれのもの、甘いものばかり食べ続けていると、子供のうちから、糖尿病や高血圧などの生活習慣病になってしまう危険性もあります。子供の食事には、添加物を極力使わず、薄味にし、素材そのものが持つうま味を感じさせ、味の違いを経験させてあげることが大切です。

理想の食材とバランス
理想的な「まごわやさしい」食
ま:豆類、ご:ごま・種実類、わ:わかめ・海藻類、や:野菜類、さ:魚類(小魚・青魚)、し:しいたけ・きのこ類、い:イモ類

「まごわやさしい食」は体に必要な栄養をバランスよく、体に負担をかけずに摂取できる理想の食事。
これらを組み合わせた食事が理想的ですが、バランスも大切です。
人間の歯を見てみると、理想のバランスが分かります。人間の歯は、臼歯と門歯と犬歯が5:2:1の比率で構成されています。臼歯は穀物をすりつぶすため、門歯は野菜をちぎるため、犬歯は魚や肉を噛み切るための歯であると考えられています。このように、歯の特徴を見たとき、私たちが食べるべき食事のバランスは、穀物や野菜、豆類を中心とした食事をとるべきだということがわかります。

賢い頭をつくるビタミン

種類 多く含む食品
ビタミンB1 玄米、七分づき米、小麦胚芽
ビタミンB2 サバ、イワシ、カレイ、サンマ、納豆、卵、干しシイタケ、マッシュルーム
ビタミンB3
(ナイアシン)
赤身の肉、鶏、魚、ピーナッツ、ビール酵母、小麦胚芽
ビタミンB6 小麦の胚芽とふすま、サケ、カツオ、鶏肉、大豆、未精白の米、バナナ、サツマイモ、ジャガイモ
葉酸 緑黄色野菜、ささげ豆、バナナ、とうもろこし緑豆、サツマイモ
ビタミンC 柑橘系、緑黄色野菜、野菜、果物
ビタミンA カボチャ、ニンジン、レバー、牛乳、うなぎ、チーズ、卵
ビタミンE アーモンド、植物油、ウナギ、鮎、アボカド

賢い頭をつくるミネラル

種類 多く含む食品
肉、暗緑色の野菜、乾燥果物、豆類、全粒粉
マグネシウム ナッツ類、大豆、ほうれん草、ニンジンの葉、海藻類、ゴマ、納豆、貝類
カリウム 新鮮な野菜、果物、全粒穀物、昆布、大豆
亜鉛 ニシン、かき、マッシュルーム、小麦胚芽、タマネギ、ビール酵母、大豆レシチン
クロム 全粒穀類、黒コショウ、レバー、生がき、卵
ヨード 海藻、ワカメ、魚介類
カルシウム イワシ、わかさぎ、にぼし、ししゃも、大豆、海藻、野菜

離乳後、子供が自分で食事をとるようになってからが、大切です。食べる楽しみを伝えながら、本物の食べ物とはどういうものかを伝えていく。とくに脳細胞は、食べた物の影響を強く受ける器官です。脳の発達に大切な栄養をしっかり摂ってあげましょう。

ごはんは白米より玄米がおすすめ

玄米には、ミネラルやビタミン、食物繊維が豊富に含まれています。

玄米は、白米に比べて
・マグネシウム…5倍!
・カリウム…2.5倍!
・亜鉛…1.3倍!
・鉄…2.5倍!
・ビタミンB群…2~5倍!

また、ご飯が冷めると「レジスタントスターチ」という成分が、炊き立ての時よりも多くなります。レジスタントスターチは、食物繊維のような働きをして、腸を元気にしてくれます。冷ご飯の方が栄養的に優れているポイントがあるので、「毎食炊き立てじゃないと…」と気負うことはありません。
玄米が苦手なお子さまは、3分づきや、発芽玄米を白米に混ぜるなど工夫してみてください。

避けるべき2つの危険

1. トランス脂肪酸

トランス脂肪酸とは、液体の植物油に水素を添加して、固体にする際にできてしまう、人工的な物質です。摂取しても体の中で正しく働かないどころか、心身にさまざまな影響を及ぼします。マーガリンやショートニングに含まれていることは周知の事実ですが、その他にも、食品のパッケージに、「加工油脂」「ファットスプレッド」「植物油脂」などと書かれていたら要注意です。トランス脂肪酸が含まれている可能性が高いと考えましょう。

トランス脂肪酸は、全米で使用が禁止されていますが、日本ではまだ一切の規制がありません。外食や加工食品にほとんどといって良いほど使用されている食品添加物の影響で、子供は心身にダメージを受けてしまいます。

トランス脂肪酸に関する各国の主な取り組み
食品への添加を禁止 アメリカ(2018年6月までに全廃)
含有量の規制措置を実施
(国によって表示の義務付けを含む)
デンマーク、スイス、オーストラリア、カナダ、シンガポール、ブラジル、アルゼンチン、アイスランド
含有量の表示を義務付け 韓国、中国、台湾、香港
自主的な低減措置を実施 EU、イギリス、フランス、オーストラリア、ニュージーランド
日本の対応
含有量の表示の義務付け、摂取量・含有量の基準なし

※農林水産省公表データ(2015年8月24日)などより

2. 砂糖・人工甘味料

白砂糖は、食べると血液中に素早く取り込まれます。すると、血糖値が急激に上昇し、今度は血糖値を下げようとインスリンが大量に分泌されます。結果、食べる前よりも血糖値が下がり、低血糖の状態になってしまいます。さらに、白砂糖には潜在性・習慣性・増量性があり、食べれば食べるほどさらに欲しくなる、量を増やさないと甘味を感じないなど、悪循環に陥ってしまいます。脳を働かせるエネルギー源として糖分は大切なものですが、吸収が早く血糖値を急激に上げるクイックカーボ(精製された白砂糖、ブドウ糖果糖液糖、精製された穀物など)ではなく、血中に穏やかに吸収されるスローカーボ(未精製の穀物、豆類、果物など)の食品を摂りましょう。
また、子供におやつ(お菓子)を与えるときは、白砂糖がたっぷり使われているものは避け、カルシウムやミネラルが含まれている黒砂糖やてん菜糖、きび糖、アガベシロップなどが使われているものを選ぶことがおすすめです。